颯爽デイズ
□いざ宮殿へ
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ツナさんは先に中に入ってしまったので、右腕とやらの獄寺さんの後ろに着いて行く。
…それにしても右腕って何だよ、右腕って。ツナさんの右腕?秘書…とかかな。
ぐるぐると色々な事に考えを廻らせていたら私の前を歩いていた獄寺さんが振り返った。
「…お前、本当に十代目から何も聞いてないのか」
『はい…ツナさんの本名とここが彼の職場だって事ぐらいしか』
「(大事な事言われてねぇんだな…)…まぁ、この後十代目からお話があるだろうから。…で、和食料理人ってのは本当か」
『えぇ。日本で父が料理人やってまして。私はまだ見習いですけど、いつか海外でお店出してみたいと思ってたんです。…で、海渡って来たイタリアでこの仕打ちですよ。神様とかいるんですかねこの世には。いる訳ありませんよねいたいけな女性をこんな目に遭わせてるんですから』
「いきなり喋りだしたなお前。さっきまで縮こまってたくせに」
『開き直ります。ツナさんといい獄寺さんといいイケメン過ぎます近寄りたくないです関わりたくないんです本当は』
「褒めてんだか貶してんだかわかんねぇなお前!」
『褒めてますとも!あぁ何だか面倒になってきたさっきまでの緊張どこいったんだよ自分!』
ぐおぉ…!と頭を抱える私を可哀想なものを見る目でチラ見する獄寺さん。
何だよ。頭抱えたくもなるだろうが。こっちは好きで連れてこられた訳じゃないんだよコノヤローが。
「…とにかく、ここにいる全員集めて来るからこの部屋で大人しくしてろ」
いつの間にか連れてこられた部屋…所謂ここが大広間なんだろう。
とにかく広くて何だか私の通ってた小学校の体育館の何倍あるんだよって広さでそりゃあもういよいよ私は何が何だか分からなくなったみたいだよね。
…あれ大分日本語もおかしくなってきた。これはイタリアマジックか。日本語を忘れるマジックか。そうなのか。
「ごちゃごちゃうっせぇよ!さっさと入りやがれ!」
『あれ、獄寺さんもエスパーですか?確かツナさんも私が考えてる事…』
「お前声に出してんだよ馬鹿が!」
『あーあ何で私イタリア着いたとたんに会ったばかりの人に馬鹿とか言われてるんだろうまじ何で生まれてきたかな私』
「木崎お前本当にいい性格してるな」
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