★
□君といる時間が幸せ
1ページ/3ページ
「サル、僕と結婚しない?」
そう言ったのは、もうそろそろ12年にも前になるだろうか。
「フェイ…、本気なの…?」
プロポーズを受けて、やっとのように出したサルの一言はこれだった。
「こんなことを冗談で言う馬鹿じゃないよ。それで?返事はどうなるの?サリュー」
「………っ」
わざと名前で呼べば顔を赤らめて、サルは困ったように視線を彷徨かせる。
「ふ、フェイ…分かっているんだよね?ボクと結婚したいってことは…」
「分かってる」
僕はサルを片手で抱き寄せ、もう片手は頬に触れる。
「僕はサリューの全部を愛してる。君に、僕の隣にいてほしいんだ」
「フェイ…」
泣き出しそうなサリューの口から僕はやっと、よろしくお願いしますの言葉を聞けた。
.