□君といる時間が幸せ
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「サル、僕と結婚しない?」


そう言ったのは、もうそろそろ12年にも前になるだろうか。


「フェイ…、本気なの…?」

プロポーズを受けて、やっとのように出したサルの一言はこれだった。

「こんなことを冗談で言う馬鹿じゃないよ。それで?返事はどうなるの?サリュー」
「………っ」

わざと名前で呼べば顔を赤らめて、サルは困ったように視線を彷徨かせる。

「ふ、フェイ…分かっているんだよね?ボクと結婚したいってことは…」
「分かってる」

僕はサルを片手で抱き寄せ、もう片手は頬に触れる。

「僕はサリューの全部を愛してる。君に、僕の隣にいてほしいんだ」
「フェイ…」


泣き出しそうなサリューの口から僕はやっと、よろしくお願いしますの言葉を聞けた。


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