ダークシグナー編
□TURN-36
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遊星は鬼柳がコカパク・アプを召喚した時の夢を見ていた。
遊「うわああああ!!!」
遊星は目を覚まし、飛び起きた。
遊「ここは・・・?・・・っ!」
遊星は包帯が巻いてある傷口を押さえる。
遊「・・・咲羅?」
遊星が見るとベッドの横には遊星の手を握りながら眠っている咲羅がいた。
マ「気がついたのかい?」
マーサがカーテンの奥から出て来た。
遊「マーサ!俺は?」
マ「怪我をしてクロウに運ばれて来たのさ」
遊「クロウに?(そうか、俺は鬼柳と・・・)」
マ「軽傷ですんだのは奇跡だって先生は言ってたよ」
遊星は窓の外にあるDホイールを見る。
マ「ラリーたちが押して来てくれたんだ」
遊「ラリーたちが?」
マ「全員、風邪っぴきになってね。後でちゃんとお礼を言っときな。クロウはとっとと消えちまったわ。全く恩知らずな子供たちだよ。一端の口を聞くようになったら、育ての親のあたしたちはそっちのけで、あんなもの作るのに夢中になって・・・挙句の果てに危険な場所に行って・・・呆れてモノも言えないよ!何か事情があるのかい?」
マーサは遊星に視線を向けて言う。
遊「サテライトから人々がいなくなっている。それを調べていたんだ。旧モーメントが関係している」
マ「旧モーメント?でもあそこは危険なエリアだよ。あんた一人の手におえるのかい?」
マーサはリンゴの皮を剥いて切っている。
遊「分からない」
マ「あんたらしくないねぇ。手におえない事をどうして一人でやろうとするんだい?あんたには兄弟同然に育ったクロウやジャックたちがいるだろう?咲羅だっているし、どうしてその力を借りようとしないんだい?ここにいた頃のあんたは仲間を信じようって素直な気持ちがあったよ。遊星、男なら無茶の一つも仕出かさなきゃならない時もある。けれど、どんな無茶だろうとあんたのやろうって事に筋が通っているなら、仲間は必ず力をかしてくれる」
遊星はその言葉を聞いてハッとする。
マ「ほら、食べな」
遊星はリンゴを受け取る。
遊「マーサ、ありがとう」
マ「いいかい遊星!傷口が塞がる前にここを抜け出そうとしたら本気でぶっ飛ばすよ!後、咲羅にもちゃんと礼を言っておきな。夜遅くまで寝ないであんたの看病してたんだからね」
遊「咲羅が・・・?」
遊星は咲羅を見ると、咲羅はまだすやすやと眠っていて、遊星は愛おしそうに頭を撫でた。