*゚。Love Potion゚。*

□VOL.05
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「…っく…ひっく…」




依世は冬獅郎と机の間で泣いていた






「……ごめん…
泣くなよ…」



冬獅郎はゆっくりと
依世から離れた




「ひっく…う…っ」





なにやってんだ、俺




惚れた女、無理矢理
抱こうとして

怖がらせて


泣かせて







「ごめん…泣かないでくれ。」



震えて泣きじゃくる依世を抱きしめた



「や…っ、はなして…」


「もう怖いことしない。
何もしないから…」



「……。」







醜い嫉妬だって、わかってる。
独りよがりだって事も、

片想いだって事も。







「…嫌いになったか?
俺のこと。」



「……嫌なやつ。
でも…嫌いじゃない
…かも…です。」



「ふっ…そっか…。」






嫌いじゃない、と言った
依世の肩が未だに震えている事に俺は後悔した




依世の優しさが
痛かった








「痛いとこないか?」


「ええ、大丈夫です。」




よそよそしい俺たちは
今日はその場で別れた




その後俺はどうやって家まで帰ったか
どうやって床に就いたか
覚えていない




ただ、依世の泣き顔と無理な笑顔が
頭から離れなかった




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