過去のありがとう達

□ケイトウ
1ページ/3ページ

ケイトウ
    〜悲しい愛情〜
────────────




わたしが十番隊に五番隊から移動して

もう半年が過ぎた…





最近きづいた事がある




「ひかり〜。これ三番隊までお願いできるかしらー?」


「はいっ乱菊さん。
行ってきまーす!」


「ありがとう♪
あっ、三番隊の隊長には気をつけなさいよ?」


「あははっ。ギン隊長ですか?
りょーかいです!」


ふ、と視線をずらすと…



(あ…まただ…)



乱菊さんの奥で座っているひと…

銀髪でクールで背中に十番隊を背負った人と


毎回目が合ってしまう





でも私と目が合った事に気付くと、彼は急いで目をそらしてしまう





(変な隊長…)


そう思いながら私は執務室を出て三番隊舎へ向かう



(隊長って…何で私のこと毎回にらんでるんだろう…?)



やっぱり…

わたしのことがお嫌いなのかな






でもね、隊長…


ご存知ですか?
わたしは隊長のことが好きなのです






「おーい、ひかりちゃ〜ん!!」


向こうから可愛らしい声がきこえた


「あっ!!桃ちゃん!」


この女の子、雛森桃は上司ながら、わたしが前に五番隊にいたとき、とても良くしてもらった


わたしの日番谷隊長への想いも知ってくれている




「ひかりちゃん、最近どうなの?」


「んー、ぼちぼちかなっ。乱菊さんは相変わらす仕事しないけど。
あ。あのね、最近日番谷隊長と目が合うの!!」


「目が…?」


「うん。どうしてだろう…
わたし何かしたのかな〜」

「……」


「桃ちゃん?」


「あっ、ごめんな、なに?」


「ううん、どうしたの?ボーッとして。」


「べ、別にどうもしないよ?あ、その書類、三番隊に?」


桃はあからさまな話題転換をしたが、ひかりは気にしないことにする


「…うん!」


「あたしもちょうど行くとこだし、一緒いこっか!」


「そうなの?良かった〜、私、市丸隊長ってちょっと苦手だから心細かったんだー。」


「はははっ。」







***


ガチャ


「失礼しまーすっ。
十番隊より書類をお届けにまいりましたー」


「…ひかりちゃん…それは入る前に言うものだろう?…普通はね


三番隊舎に入ると吉良副隊長が苦笑いで迎えてくれた


「また細かい事言うんですね、吉良副隊長は。」


「ははは、常識を言ったつもりなんだけどなー


「はいはい、これ書類ね。」


ひかりはドサリと吉良に書類を渡す


「おっとと。あれ、雛森くんも一緒に来てたんだ?」


「う、うん…」


桃は浮かない顔をしてドア付近に立っている
何か言いづらそうにモジモジしていた


ひかりは気まずい空気を壊そうと吉良に話題をふる
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ