過去のありがとう達
□らぶぽ夏祭り
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*゚。Love Potion゚。*
〜夏の夜の夢〜
これは私と冬獅郎が十才だった頃の真夏のお話
「依世ーー。今日地元の夏祭りいかねぇか?」
家のベランダでアイスを食べていると、遊びから帰ってきた冬獅郎がまるで我が家のようにズカズカとあがり込んできた
「おかえりなさいです〜。
夏祭り…ですか?」
「あぁ、どうせ暇だろ?」
「すみませんね、暇で
うーん、あぁいう人混みって苦手なんですが…」
依世は食べ終わったアイスの棒をくわえながら腕組みして考える
「お前の好きな甘い菓子がたくさん売ってるぞ。」
「いきますっ!連れてってください冬獅郎!」
簡単に釣れた依世に、冬獅郎は心の中でガッツポーズした
────
──…
「はいっ、浴衣の着付け
かんりょーーぅっ☆」
「ありがとうございます、乱菊ママ!」
「いいのいいの!あ〜ぁっ、うちのシロも依世ちゃんくらい可愛げあればな〜」
「男が可愛げあってどーすんだよ…
行くぞ、依世。」
「あ、はい〜」
「シロ!依世ちゃんとはぐれないようにね!
何があっても依世ちゃんだけは守るのよ!?」
乱菊は冬獅郎に言い聞かせるように言った
「言われなくてもわかってる。」
「冬獅郎…///」
「ほら、さっさと行くぞ!///」
大丈夫ですよ、乱菊ママ
冬獅郎はいつも私を守ってくれてますよ
【夏祭り会場】
「冬獅郎っ!まずは綿菓子ですよ〜!」
「へーへー。わかったからあんまり走るなよ。
転んじまうぜ?」
「大丈夫です〜
っわぁぁっ!?」
言ったそばから、依世は履きなれない下駄のせいで前のめりに転びそうになる
「っと!こら、だから走るなって言ったんだ!」
間一髪で冬獅郎が支えた
「ご、ごめんなさい冬獅郎…」
「ったく…ほんと危なっかしいヤツだな…
これだから目が離せねぇっつーかなんつーか…///
こっちが気が気じゃないぜ…」
「…じゃあ…冬獅郎が安心できるように、これからはずっと私のこと見ててください!」
うん、これは良い策です!
「お前…っ///言ってる意味わかって……ねぇよな
いい加減その鈍感も治してもらわねーと俺の身がもたねぇっての…」
「ん?何の事ですか?」
「…なんでもねぇよ///」
冬獅郎は真っ赤になって、どんどん先に進んでいった
「おい、依世。
綿菓子あったぞ…って、
居ねぇ!!どこいった依世のやつ!?」
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