波瀾万丈番外編

□お正月小噺
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お正月小噺〜ヒロインの家でのお正月



「「「「「あけましておめでとうございまーす」」」」」

皆でカウントダウンをした後に形式上の挨拶。





「あー、久しぶりだよね。家で年越ししたの。」


「は?どういうことだよ。」


あたしが言うと赤也が聞いてきた。






「だって、お正月はいつも旅行だったもん。今年はハワイの予定だったのに。」
「だーっ、これだから金持ちの子供は…」
「あんたももう金持ちの子供だから。」



横でぎゃあぎゃあ言ってる赤也を受け流していると、携帯にメールが届いた。




From 日吉

本文 あけましておめでとう。今年もよろしく。





…なんて言うか、凄い日吉らしい。
本当に必要最小限だな、おい。



…あれ?下にまだ何か書いてある。


スクロール、スクロール…





良かったら初詣一緒に行かないか?







さりげなっ!これ、あたしが気付かなかったらどうする気だったんだろ。



あたしはポチポチと返信する。






To 日吉


本文 ごめん、無理。
侑士先輩と行く約束してる。








日吉が必要最小限でメールしてるんだから、こちらもそうしなくては。と思い、簡潔な文を打っていくと、後ろから赤也が覗いてきた。




「は!?お前忍足なんかと初詣行くのかよ。」

「ちょ、覗かないでよ。」
「俺も行くからな!」

「は!?ふざけんじゃないわよ、なんで赤也を連れて行かないといけない訳?」



ぎゃあぎゃあ赤也と騒いでいると、玄関のチャイムが鳴った。




「あっ、侑士先輩来た。」
慌てて立ち上がり玄関に向かう。


「頑張ってね。」
郁里がにやけ顔で言ってきた。

「うっさい。」








ガチャ、と玄関のドアを開けると侑士先輩が立っていた。


「あけましておめでとう。」
侑士先輩が言ってきたので、あたしも慌てて返す。


「あっ、あけましておめでとうございますっ。」

「どないしたん、そないに慌てて。」



クスクスと笑い、あたしの頭を撫でながら侑士先輩は言う。



「いやぁ、ちょっと煩いヤツがいて…」「俺も行く!」「赤也は黙ってて!」




今年も皆元気です!


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