Ge×3

□Hit!Hit!Hit!
2ページ/2ページ






「鬼太郎、もう一回寝ろ。
夜明けまでまだ時間があるからな。」


僕の頬に汗でくっついた
髪の毛を掃いながら、
蒼兄さんは言う。

俺が此処に居るから。
と、付け足して。



「…蒼兄さん」



熱のある、しかもあんな夢を見た僕は、
我が儘になったのかもしれない。

僕は蒼兄さんの僧衣の裾を、
放したくなかった。



「ん?何だ?」

「…っ」

「どっか痛ぇのか?」



心配そうな顔で覗き込まれると、
何だか顔が熱くなる。
あと胸が痛いくらい早くなる。

この理由を聞きたいけれど、
何故かそれも恥ずかしい。

熱のある僕の頭の中は、
多分今、きっとぐちゃぐちゃだ。



「…わかった!」

「へ?!」



それまで黙っていた蒼兄さんが、
ポンと掌を叩く。

まさかこの、自分でも意味の
わからない気持ちを、蒼兄さんに
悟られたのか。
そう思うと僕はもうこの痛む体を
引きずってでも逃げたくなった。

でもそんな僕の体の上、
布団に手を置いた蒼兄さんは、
横にごろりと寝転がる。



「眠れねぇなら、
こうすればいいんだ。」



ぽん、 ぽん、と軽く叩く、
その一定の速度はゆっくりで。
まるでその掌の下にある、
僕の心臓と同調するように、
蒼兄さんは布団を叩き始めた。

ちらりと横を見れば、
蒼兄さんは「目ぇつぶれ」と
言って笑う。



『何故だろう…』



もっと何か、違うような。
もっと何か、もっと…



「…あおにいさん」

「ん?」

「……手、繋いで下さい。」



布団から出した僕の手は、
一定のリズムを保つ手の反対側に
きちんと収まった。

温かい。
ちゃんと蒼兄さんが、
僕の隣に居る。

安心感に満たされ、
温かさに包まれた僕は、
朝まで瞼を開かなかった。











眠りに落ちた夢



恐い夢など見ないよう

深く深く眠りに落ちたい。

だけどどうか、どんな夢でも、

繋いだこの手を、離さないで。







*****************


リク内容
ケガをした鬼太郎を看病する蒼兄さんとそれに甘える鬼太郎の小説をお願いします。


というピョン丸様からの
キリリクを頂き書かせて頂きました。

え?あんまり甘えてない…?
これでも精一杯甘えさしたつもり!笑←

*ピョン丸様のみお持ち帰り可能です^^

ご完読ありがとうございます!
お帰りはブラウザバックで!
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ