Ge×3

□SSS
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注意

*血・暴力表現有でボコしてます

*黒鴉と蒼坊主が戦友的な

*一応蒼坊主→←黒鴉みたいな

*時代は割と昔(イメージは江戸中期?)

*無駄に長いよ

*落ち?何それ美味しいの(^ω^)?










白い雪山と、灰色の空。
白い森に、黒いお前。
白い息は、乱れて濁る。

どんよりと暗い色彩の中で、
飛び散った血液だけが赤く、
赤く、ただ紅かった。








白い叱責紅い謝罪








何も無い雪野原で戦など、
無謀だとも思ったが、
案外生きているものだ。

現に屍になった敵達は、
全て俺と黒鴉のふたりで
葬り去ったものなのだから。

俺は堆く(ウズタカく)積まれた
死体の山から、視線を離した。



「……はぁ、」



吸いたくもない空気で深呼吸をする。
肺腑も凍てつくような酸素は、
血生臭さだけが確かな香り。

嗚呼この鼻孔をつんざく不浄の臭い。
これこそが生きている証というのなら、
何と味の悪いことか。



「…黒鴉、」



後方に居る戦友に呼び掛けた。
黒鴉は死体に囲まれた真ん中で
ひざまづき、頭を垂れていた。

返り血に濡れた真っ黒な背中の羽が、
黒鴉をまるで死者に祈りを捧げる、
真っ黒い天からの使いのように見せる。



『…黒い、よな。』



雪の白さのせいだろうか、
血の赤さのせいだろうか。
彼が酷く浮いて見えたのは。



「…はは、何だ。
立てねぇのか?」

「……」



終始黙ったまま、
黒鴉の顔は髪で見えない。
俺に見えるのは、
右手に握る武器の羽だけで。

俺は乾いた笑みのまま、
黒鴉の肩に手を置いた。



「黒から…



もう一度名前を呼ぼうとした刹那、
振り返った彼の拳が、俺の顔面に
めり込んだ。



「ぐっ…?!」

「…!!」



雪の上に倒れていく時、
目の前の景色が所謂
スローモーションのように見えた。

黒鴉の金の瞳がギラリと
何かを睨み付けている。
そして右手で素早く放たれた、
羽手裏剣は速過ぎて見えない。

ふと我に返った時、俺は雪原に倒れた。
その隣には、眉間に黒鴉の武器を
深々と撃ち込まれた、敵の死体が
転がっていて。



「後ろから狙われていましたよ。」



恐らく敵の兵が死体に紛れて、
貴方の隙を狙っていたのでしょう。

冷たい視線のまま、
黒鴉はそう言い放った。



「いっ…!」



右頬が熱い。
俺は何故殴られたのか解らぬまま、
ただぼんやりと死体を見て。



『もしかしたら俺が……いや、』



目を見開いて死んでいる敵兵。
すぐそこに迫っていた死が、
目の前に横たわっている。

しかし俺はその間近な死よりも、
目の前の男の、妙に冷たい眼が、
俺の背筋を凍らせていた。



「…立てますか?」

「あ…いや…はは、…すまねぇな。」



先程と逆のような展開に
少々戸惑いながらも、
俺は差し出された黒鴉の
手に捕まった。

そしてその手を強く引き上げられ、
俺は殴られていた。

今度は、左頬を。



「がっ…!」



言葉にならない呻きが、
切れた唇から漏れた。

口一杯に、鉄の味が。



「っ…い、ってぇ…!」



冷めた目線は冬山の
凍てつく空気よりも鋭く、
俺を突き刺す。

その原因のわからぬ殴打や視線に、
ただ呆然とする口元から血が垂れる。
白い大地をぱたり、ぱたりと赤く染めて。



「な…何で殴るんだよ?」

「立ってください」

「何で…殴るんだよ!!」



躊躇いの無い疑問をぶつけた。

そんな彼に黒鴉は、
戦いに乱れた胸倉を掴み、
先程とは比べものにならない大声で、
俺を叱責した。



「何故笑っていられるのですか!」



雪原に、死者に、
響き渡る声は痛烈だった。

そしてその涙声は、
怒りをも含んでいて。



「死ぬかもしれない、のに…!」



妖怪のくせにと、
泣く彼を誰かが笑うかもしれない。

しかし俺の切れた唇からは、
何に対してか判らない、
謝罪の言葉が零れていた。

紅い、紅い血と共に。










白い叱責紅い謝罪





言葉に嘘はないが、確かに









*****************


微妙にボツなのでsssになりました^^

黒鴉は戦場での死を真摯に
受け入れすぎるタイプ。
蒼兄は戦場での死を受け入れるのが
辛いからごまかそうとするタイプ。

つまりどちらも優しいってこと^^
て、言いたかった。

御完読ありがとうございます!
お帰りはブラウザバックでお願いします。




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