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□precious days 6
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「おい、将!!
起きろよ、おい!!」
「ん…。
とらぁ…?おはよ。」
せっかく気持ちよく寝てたのに、無理やり俺のこと起こしてきたのは虎。
ってか何で俺の家に虎がいるのさ。
そうだ、昨日、正しくは今日、俺と虎とマオさんの3人で俺の家に集まって、虎が帰った後にマオさんとお酒飲みながら話して…
あれ…?
それからどーしたんだっけ?
マオさん帰ったのかな?
それで家の鍵開けっ放しだったから虎が入ってきた?
「とらぁ、マオさん鍵開けっぱで帰っちゃったからって、勝手に部屋入って来んなよー。」
寝起きだから上手く口が動かない。
やっぱり絶対いつもより寝起きの時の方が滑舌悪い。
モゾモゾとベッドから起き上がって目を擦ると、虎の口からは驚きの一言。
「いや、さっきヒロトから電話あって、将んち寄って将のこと連れて来て、って言われて来たんだよ。
だから、鍵もしっかり大家さんに説明して、わざわざ合い鍵使って開けて貰ったわけ。
ちなみにお前、とっくに集合時間過ぎてるって分かってる?」
虎はちょっと眉間にしわを寄せながら腕を組んで俺の前に仁王立ちした。
ヤバい、この虎はかなり怒ってる・・・
でも遅刻なんて今はぶっちゃけ思考外。
それよりマオさんどこ行った!?
モゾ…
そう言えば、寝てる間中誰か、いやどこか暖かい温もりが隣にあった気がする。
まさか・・・!?
恐る恐る後ろを振り返って、ベッドに視線を戻すと、
「んぅ・・・、」
寝返りを打って、こちらに顔を向けたのはなんとマオさん!!
何でここにいんの!?
帰ったんじゃなかったのか!?
ってか何で一緒に寝てたんだ!?
それより何でTシャツ一枚、パンツ一丁なんだ!!
虎がじーっ、と訝しげな視線を送ってくるけど、俺は断じて何もしてない。
ってか、むしろ何かあったら困る!!
「頼む、虎!!
俺ほんとにマオさんとは何もないんだ!!
信じてくれ!!」
もう自分でも何が何だか良く分からない。
この場面だけ見たら、どっかの夫婦の修羅場そのものじゃないか!!
でも、何で一緒に寝てたのかほんと思い出せないんだって!!
でも、そんな俺なんかお構いなしにマオさんは寝言?を言ってる。
「んっ…ふっ、」
起きる!?っと思ってベッドから降りて虎と一緒にしゃがんでマオさん観察←。
「「可愛いなー。」」
俺と虎の声が被った。
ってか男相手に可愛いってどーなんですかね?
とりあえず遅刻なんて頭から吹っ飛んだ。
それからしばらくして、
「「どーする?」」
起こすべきか起こさないべきか心底困った俺と虎の声が部屋に響いた。
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