風ノ行方
□act.7
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やばい、ルーピン先生の最初の授業だと言うのに遅刻してしまう!
アニメーガスの本を読むのに夢中になっていていたのだ。
「すみませんっ、遅れました………あれ?」
思いっきり大声で教室にはいった。
が、そこにいるはずの教師はおらず、生徒達もおしゃべりを止め、あたしの事を見ていた。
「カリン、カリン!!」
呼ばれて見ると、ハーマイオニーが手招いていた。
他の生徒の視線を笑ってごまかし、ハーマイオニーの近くのロンの席の隣に座った。
その時ちょうどルーピン先生が教室に入ってきた。
ギリギリセーフだった…
フッと微笑み、持っていたカバンを教壇の机に置いた。
「やあ、みんな。今日は教科書は使わないよ。杖だけ持ってついておいで」
ザワザワと生徒達は顔を見合わせていたが、言われた通りに杖を手に教室を出た。
今からボガートの授業だ♪
あたしは気分良く先生の大きな背中を見て歩いていた。
「やけにご機嫌だね、カリン」
「あぁハリー、なんだか楽しそうじゃない?」
大勢で連れだって廊下を歩いていると、ドアについている鍵穴に、チューインガムを詰めているピーブスが目に入ってきた。
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