風ノ行方

□act.6
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そう。
幸運なことに、1人分のベッドが空いている部屋がなかったのだ。


若い少女達と同室になるのは少し…いや、結構苦痛なのだ。
毎日修学旅行の『誰が好き?』の話題なのだろう。

まぁ、可愛いとは思うけどね。



「じゃあ貴女の部屋に泊まりにいってもいい?是非もっと仲良くなりたいわ」

「…えぇもちろん。でもマクゴナガル先生に一応許可を取ってね」


自分の顔が引きつっている事に気づいていたが、無理矢理笑顔を作った。


まあいいか……



「あ!カリンに私のクルックシャンクスを紹介するわ」


談話室を横切ろうとしたクルックシャンクスを見つけたハーマイオニーが、急いで自分の猫の元へかけよった。

ムスッとした可愛い(?)顔をしたその猫をあたしのところまで抱いて連れてきた。



「さぁクルックシャンクス、挨拶をしなさい」


あたしはクルックシャンクスを受け取り、膝の上に乗せた。


「よろしくクルックシャンクス。………上手くやってね?



ポソリとつぶやく。
あたしは知っていたからだ。
この子がシリウスに手を貸すことを…



クルックシャンクスはミャオと小さく鳴き、あたしの膝から飛び降りてさっさとどこかへ行ってしまった。





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