風ノ行方4
□act.2
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あたしは身動きが取れない。
不死鳥の騎士団本部に連れて来られたのは、もちろん保護と言う意味もあっただろうが、恐らくは監視する為だ。
万が一ヴォルデモートが接触してきた時に、あたしは間違いなくあいつを殺すつもりでかかっていくだろう。
リーマスも…シリウスもダンブルドアも。
決して戦うな。
助けを呼べ。
逃げろ。
口を揃えてそう言った。
それでもあたしは……
「「カリンー!!」」
「キャアァァァアッ!…って、フレッドにジョージ」
1階の廊下でボケーッとしながら突っ立っていると、突然なんの前触れもなしに、あたしの両隣に姿を現したのはフレッドとジョージ。
屈託のない笑顔を浮かべ、楽しそうに笑っている。
「今日来るって聞いてたから、お菓子買ってきてあるぞ」
「ほら、カリンこれ好きだろう?」
ポンと渡されたのは、いたってシンプルな普通のチョコレート。
カエルチョコは飛びまわるし、何よりもカエルと言う時点で食べる気になれないので、こういう普通のチョコレートをもらうとホッとする。
「ありがとう」
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