風ノ行方3

□act.10
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コンコン


「どうぞ。開いているよ」


「失礼しま〜す」


ノックをした扉の向こうからリーマスの穏やかな声が聞こえてくる。
それに習うように、扉を開けた。


「やぁカリン。あれ、シリウスが一緒だったと思ったんだけど?」


あたしの隣に並ぶマクゴナガル先生の顔を見たリーマスが、驚きの声を上げた。


「なんか、女の子達に囲まれちゃっててさ。置いてきた」

「相変わらずシリウスはもてるみたいだからね」

「何をおっしゃるんですか、ルーピン先生。教師が生徒にもててどうするんです。全く」


おやおや。
マクゴナガル先生はやっぱりちょっと古い考えなのかなぁ…


「ミス・クロス。貴女も気をつけてくださいね!」

「え…何が?」


突然話を振られてビクリと体を揺らす。


「まぁ、色々とです。他の生徒に変な影響を与えるような事だけはしないでくださいよ」

「は…あはは…;……はい」


そうだよねぇ。
きっとマクゴナガル先生は知ってるんだよね。
あたしとリーマスのこと。

だからあまり目立つなと釘を刺してきたわけだ。



「それにしても、子供の時よりもモテてるんじゃないの?シリウス」

「う〜ん…無実が確定してからしばらくは生徒も怖がるばかりだったんだけど、何度か授業をしているうちにね」


授業か…
あたしもシリウスの授業に出てみたかったかも。





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