風ノ行方3
□act.8
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あたしの周りにはたくさんの人間がいて、いつも笑っている。
特に仲の良い彼女は、まるで姉のようにあたしのことを心配し、味方でいてくれた。
「カリン…カリン、ほら朝だよ。起きなさい」
「んん……」
シャッとカーテンを開く音。
それと同時にまぶしすぎる朝日が差し込んでくる。
ぼんやりとするあたしの目に、リーマスの顔が徐々に徐々にハッキリと見えてきた。
「変な夢でも見たかい?」
「…リーマス。先生みたい……」
「みたいって、先生なんだけど;」
と言うリーマスの言葉を聞かないふりをして、あたしは再び掛け布団の中へともぐっていく。
「あ、こら。早くしないと…」
「リーマス、カリンはまだか!?」
…ドタドタとうるさいのが来た。
シリウスは、なんだか子供の頃よりもガサツになった感じ。
体だけ成長した子供、ってとこか。
「まだ。どうも朝が弱いみたいでね」
「ほ〜う…カリン、早くしないと朝食食いっぱぐれるぞ?」
「うぅ〜…」
朝食が食べれないのはキツイ…
嫌々ながらもようやく布団の中から顔を出す。
と言っても、目の部分まで出して重たい瞼をゆっくりと開ける。
「おはようカリン」
「おはよう…」
「お前、寝起き不細工だぞ」
「……………ぐぅ」
朝っぱらからシリウスの茶々に、怒る気力も無くて、また布団をかぶってしまう。
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