風ノ行方3
□act.6
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周りはガヤガヤと騒ぎながら、夕食の時間は続いていた。
デザートまできれいに食べ終えた頃、再びダンブルドアが立ち上がり、広間中がシンと静まった。
「さて諸君。いくつか知らせがある。まずは城内持ち込み禁止の品に、『叫びヨーヨー』『噛みつきフリスビー』『殴り続けのブーメラン』が加わった」
聞いただけで触りたくもないと思ったのはあたしだけだろうか…
周りからは、不満の声が漏れている。
「そして……今年は寮対抗クィディッチ試合は中止じゃ」
ダンブルドアの一言に、静かだった広間が一斉に沸いた。
ハリーは絶句し、フレッドとジョージは口をパクパクさせている。
「ね、なんで?」
「さぁ…わからないわ」
あたしの問いに、ハーマイオニーは小さく首をかしげてダンブルドアの言葉を待っていた。
「今年、ホグワーツで…」
バタンッ
雷鳴と共に、広間の扉が大きな音を立てて開いた。
コツッ、コツッ
鈍い音を立てながら、ステッキをついて歩いて入ってくる。
ざわめいていた空気が一斉にシンとなって、その異様な男に釘付けとなった。
その男の異形さに、皆が息を飲んでただただ唖然と見つめている。
「マッド・アイ・ムーディ……」
「え……カリン、貴女今なんて…?」
何も考えずに、勝手に口をついて出た言葉。
それを聞き付けたハーマイオニーが、すぐにあたしに問いかけた。
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