風ノ行方3

□act.1
1ページ/9ページ






自分の意識が有るのか無いのかすらわからない。



ただただ真っ暗闇に、一人で漂っている。



そんな感じだ。







それでも孤独を感じないのは何故だろうか。


隣に誰かがいるような気がする。


果てしない闇の中で……





誰かが………






























「っ…!!」



焼けるような痛みに、黒のまどろみの中から呼び起こされる。


目に入ってくる眩しすぎる程の光に、瞳を焼かれるような錯覚に陥るり、ギュッと瞼を閉じ、両腕を抱える。



「ぅ……っ、…ぃ……」


両方の二の腕が酷く痛む。

いや、痛み等では表現できないほどの痛みだ。



ギュッと力を入れてごまかそうとすれば、ドロリとした液体が指の間から溢れ出てくる。



「ぐ…うぁ…あぁぁぁ!!」





.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ