風ノ行方3
□act.1
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自分の意識が有るのか無いのかすらわからない。
ただただ真っ暗闇に、一人で漂っている。
そんな感じだ。
それでも孤独を感じないのは何故だろうか。
隣に誰かがいるような気がする。
果てしない闇の中で……
誰かが………
「っ…!!」
焼けるような痛みに、黒のまどろみの中から呼び起こされる。
目に入ってくる眩しすぎる程の光に、瞳を焼かれるような錯覚に陥るり、ギュッと瞼を閉じ、両腕を抱える。
「ぅ……っ、…ぃ……」
両方の二の腕が酷く痛む。
いや、痛み等では表現できないほどの痛みだ。
ギュッと力を入れてごまかそうとすれば、ドロリとした液体が指の間から溢れ出てくる。
「ぐ…うぁ…あぁぁぁ!!」
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