風ノ行方
□act.14
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…どうしよう……
向かいあっている先にいるのはスネイプ先生。
ホグワーツ城から出ようと廊下を歩いていたら、たまたま出会ってしまったこの黒い人。
顔を見てみれば、眉間に刻まれた深いシワがピクピクと動いている。
意外に早く薬の調合が終わったのだろう。
まずい人に出会ってしまった。
「ミス・カリン。我輩は自習だと言ったはずだが?」
どうしてこんなところをウロウロしているんだ?
そう言いたいのだろう。
「あはははははは………スネイプ先生こそ、ダンブルドア校長の薬作りは終わったんですか?」
「我輩を誰だと思っている。早く教室に戻りなさい。減点しますぞ」
げ…減点……
確か夢遊病事件でマクゴナガル先生にされて以来だったよね。
「…あの、先生?ちょっとお話したい事があるんです」
「話、か。ルーピンのことかね?」
「なっ………!!」
なぜルーピン先生の名前が出てきたのか……
わからない。
狼人間の授業をしようとしていたのを邪魔したから?
いや、今日スネイプ先生がその授業をすることをあたしが知っていたなんて知るはずがない。
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