風ノ行方
□act.7
1ページ/11ページ
眠れない。
何度も何度も寝返りをうつ。
「カリン?眠れないの?」
今日はハーマイオニーが泊まりにきていた。
題目は『編入したばかりのカリンに一晩じっくり勉強を教える』という事でマクゴナガル先生からも、お泊まりに対してお許しが出たのだ。
深夜徘徊がバレて減点5点から2日後だったが、今回の件は勉強に関してのことだったので、障害もなくスムーズにいった。
「あぁ…うん。全っ然眠れないの」
「何か悩みでもあるの?」
「まぁ悩みと言えば悩み…だけど」
この日あたしはハーマイオニーはすごくいい子だと思った。
なぜなら、悩んでいるあたしに対して、
「何に悩んでるかはわからないけれど、話す気になったら言ってちょうだい。頼ってくれれば私は全力で貴女の力になるわ」
そう言ったのだ。
とても13歳の子供の言う事とは思えないが、とても嬉しく思ったのも事実。
「ありがとう」
気持ちが少しだけ楽になったからか、徐々に眠気が見え隠れしてきた。
この機を逃すまいと瞼を閉じ、考える事をやめた。
明日はルーピン先生の授業…
あたしに対してボガートは一体何に変身するんだろう。
.