風ノ行方
□act.6
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「ねぇロン。ロンのネズミ見たいんだけど?」
「ご、ごめん…スキャバーズどこに行ったんだろう……」
ここはグリフィンドールの談話室。
食事を終えた生徒達が集まっていた。
あたし、ハリー、ハーマイオニー、そしてロンもまた然り。
あたしは談話室のソファに座りロンに向けてブーっと口を尖らせていた。
「ハーマイオニーのブタネコに食べられたのかもっ」
「ちょっとロン!クルックシャンクスのせいにしないでちょうだい!!」
いや、むしろ食ってしまってくれていたらどれだけいいことか…
あ、いやいや、それじゃダメだ。
シリウスをきちんと救うことができない。
「ねぇ、カリンはどうしてそんなにロンのネズミが見たいの?」
「あぁハリー、それはね、12年も生きている奇跡的なネズミに是非会いたいからなのよ」
ヨロヨロとハリーにすがりつく。
ちょっとでも早くと思っていたのだが、なにせいないんじゃ仕方がない。
しばらく様子を見ることにするか……
「そういえばカリンは部屋はどこなの?」
ハーマイオニーが読んでいた本を閉じてあたしの顔をみた。
「ん?うん、なんか入れる部屋がないからって事で1人部屋みたい。4人部屋に1人って、なにこの虚しさ…みたいな」
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