風ノ行方4
□act.6
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ハリーが襲われた……!?
そんな…
なんで?
確かにヴォルデモートはもともとハリーを狙っていた。
でも今じゃあたしを欲しているんじゃなかったの…?
「こっちの目をカリンに向けさせておいて、その間にハリーをだなんてなんて汚い…」
「ここへ連れてくるよりはマグルの家にいる方が安心だと踏んでいたが…」
「ハリーと一緒に暮らすんだって、我が侭言い張るシリウスをなんとか説得したのにね」
「まぁそれでも、念の為ハリー・ポッターに監視を付けておいて正解だったな」
騎士団の人間達が次々に声をあげる。
グルグルと色んな思考が頭の中を渦巻いていく。
ヴォルデモートの本当の狙いはなに…?
あたし?
それともハリー…?
「何はともあれ、まずはポッターをこちらへ保護するのが優先かと思うがね」
部屋の隅、壁にもたれて腕を組んでいたセブルスが言う。
違法ともなれば、これから裁判にかけられるはず。
でもハリーが裁判が何処で行われるかなんて知っているはずもない。
マグルの世界にもすでに手が回っていると言うのなら、守る事ができるこの騎士団本部にいる方がよっぽど安全だ。
全ての話は、まずはそこからだ。
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