風ノ行方
□act.6
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ふさふさのしっぽをふりふりしながら、気取ったふうに歩くクルックシャンクスを見送った。
「とても可愛い猫だね」
「カリンはおかしいよ!あの猫が可愛いだって?」
ロンがすかさず口をはさむ。
隣でハリーも苦笑いを浮かべていた。
「あっ!!!」
目に入った時計。
時刻は20時5分前。
声に驚いた生徒たちが皆あたしに注目していた。
「どうしたの?」
ハリーが怪訝そうな顔で聞いてきた。
「あ…あぁ、なんでもないの。あたし、今日はもう部屋に帰るね!明日からよろしく。おやすみなさい!」
ハーマイオニーが不振そうな顔をしていたが、このままここにいてはいけないと、そそくさと談話室を出た。
やばいやばい……
談話室から見えない場所へきて、一息つく。
もしあんな場所で元に戻ってしまったら大変だ。
さっさとキャンディーを食べて、皆が寝静まるのを待とう。
そして夜抜け出してピーターを探すのだ。
意気込んで、ぱたぱたと自分の割り当てられた部屋へと戻っていった。
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