白昼夢
□Whatever happens...
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6/20 素朴な疑問
それは今朝のことでした。
「ヒヨコにトサカが生えるとき、いたいのかな?」
母の突然の一言だった。
「急にどうした?」
笑いまじりに聞いた。
「いや〜、急にヒヨコにトサカが生えてアタフタしてる様子が浮かんだもんでね」
なかなか思い浮かばないよな……そんなこと……。
「オタマジャクシもカエルになるとき、急に足が生えるわけだし……う〜ん…どうなんだろう…?」
母は何を考えているのだろうか。
そんなことを考えながら、車の窓の外の景色をながめていた。
生憎、今日は雨……。だから、車なんだけどさ。
すると、中等部の生徒がカッパも着ずに自転車を漕いでいた。
雨……濡れるだろうな……
でも、ヘルメット被ってるから……うん?
ふと、疑問に思ったことがあった。
「ヘルメットは……カッパの上から被るのだろうか……」
いつの間にか呟いていた。
運転席の母は、後部座席の私の方へと振り返った。
「あんた、そんな変なこと考えてどうするの」
私は黙って、ヒヨコについて考えることにした。