幻便

□ぼくのだいすきなおじいちゃん
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『拝啓
おじいちゃんへ
清秋の候、日ましに秋も深まってまいりました。
あれから何年がたつでしょうか。
僕は元気にやっています。おじいちゃんはいかがお過ごしでしょうか。
もう僕は大学生になろうとしています。
僕は大事な何かを忘れていました。
おじいちゃんのことも忘れたつもりはありませんでしたが、結局は忘れてたことになるのかもしれません。ごめんなさい。
でも、僕は何が大切なのかわかった気がします。おじいちゃんもそちらで笑顔でいてください。

追伸、秋がもっと好きになりそうです。今まで以上に……。

夢を追いかける少年より』

 
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