BANDIT

□steal.4
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穏やかな日差しが差し込む森の中で突如、乾いた音が響く。
数回に及ぶその音には時折金属音が混ざっていた。

やがて音が完全に止んだ頃、1人の少女―ソラは銃を構えていた右手を下ろした。
その表情は少しだけ呆れているように見える。


「うわ…」

「六発中ギリギリ一発か…大した腕前だな」


近くにあった倒木に腰掛けていたレンは耳栓代わりの綿を外しながら呟いた。


「ホントにね…」


同じく綿を外しながらソラはため息を吐いた。



カルアートを去ってから、ソラは次の街で小型の銃を手に入れていた。
あの時、何故自分が銃を扱えたのかは分からない。

しかし、自分にその技量があるのなら、と試してみることにした。レンの足手まといにならないためにも。

銃を使うと言った時、レンが少し複雑そうにしていた気がするが。


「…銃と相性が悪いのかなぁ…?」

「…今更言うか?」


銃と共に小さく折り畳める鉄製のプレートも手に入れ、森の中などで射撃訓練を行っていた。

だが、腕前は壊滅的とも言えるほどだった。
カルアートの時がまるで奇跡だったかのように的に当たらない。仮に当たってもかする程度だ。



「何がいけないんだか…」

「つーか…左利き、じゃねぇの?」

「…え?」


レンの言葉にソラは目を丸くする。


「ううん。私は右利きだよ」

「…そうか」

(あの時は左、だったけどな…)



不思議そうに首を傾げるソラにレンは何も答えずに微かに目を伏せた。



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