すろぅらぃふ
□その4 友情と彼女の優先順位
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ユースケがいたのはケンがケ−キを買った店の隣のファミレスでした。
「ケ−キ買っててフッて隣を見たらユースケがいたんだ」
「ケン、凄い」
「うわぁ……」
中に入ると奥側にユースケの姿が見えました。
「いたいた。ユースッ…!?」
ケンが話しかけようとするとテルとダイに口を塞がれました。
『ちょっとダメだよ!!気づかれるじゃん』
『ユースケに怒られるぞ』
2人に言われケンはコクコクと頷きました。
3人はユースケから離れている、しかし顔は見える程度の距離ぐらいのところに座り、小声で話し始めました。
そして肝心な…
『あ!!』
『本当に?』
『…マジで?』
ユースケの前には1人の髪の短い女の子が座っていました。
『あ、あの人知ってるよ!!』
『同じクラスの田口さんだな』
『あ−、弓道部で活躍してる人だね』
3人は観察を続けます。
『……何話してんだろ?』
『なんだろうね』
「…てか……」
「あ、ユースケに電話かけてみようか?」
「邪魔しちゃ駄目だよ」
「あのさ−… 」
ケンとテルもなんで楽しそうなんだ?と思いながらダイは話せずにいました。
そして、近づいてくる人がいました。
「…………何やってんだよ」
「あ、」
そこには、静かに怒気を漂わせたユースケがいました。
「……ユースケ…さん」
「偶然だね」
少し緊張してるケンと平然としているテル。
「…お前らな……」
「…早倉君に冠塚君…それに…雪平君?」
「なぁ、田口さん!!ユースケと付き合ってんの?」
「え?」
「ケン、唐突すぎ」
その時、ユースケがハァとため息を吐きました。
「…場所変えようぜ」
ユースケがポツリと言いました。
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