すろぅらぃふ
□その4 友情と彼女の優先順位
3ページ/6ページ
「な、何言ってんだよダイ−。そんなわけないだろ−」
「だ、だよな−」
「…でもさ…」
「「!!?」」
テルの一言にケンとダイは過剰反応しました。
「1週間前ぐらいに下駄箱に5枚ぐらい手紙が入ってたよ」
「「……………」」
3人は顔を見合わせました。
「「「…彼女か…」」」
全員一致の意見でした。
「…ユースケが−ユースケが−…」
「…ケンがおかしい」
「気持ちは分からなくもないけどね」
しばらくしてケンはこう言いました。
「……ユースケの彼女……見てみたい」
「……………え?」
テルとダイは絶句しました。
「…ケン…それは…いけないような…」
「いやいやいや、待ってくださいよ、大さん。俺は『友達』の心配をして言ってんの!!」
「…よくそれで友達だって言えるね」
軽い苦笑いでダイは返しました。
「でも…いいじゃん。言わないユースケが悪いんだし」
「テル…それは違います」
すると…
「な−な−、ユースケどっち行ったか見てない?」
ケンは先ほどから校門近くで話していた同級生に話しかけました。
「ケ、ケン!!?」
「月沢?…確か…駅側の方に行ってたぜ」
「マジでか。サンキュ−!!」
話終わりケンはテルとダイにニパッと笑いました。
「どうだ−!!」
「ケン、ナイス」
「………行くの?」
呆然とその様子を眺めていたダイはゆっくりと訊きました。
「「もちろん」」
予想通りの答えが返ってきました。
小さくため息を吐いたダイはユースケの苦労が初めて分かりました。
.