すろぅらぃふ
□その1 雨の日てるてる坊主
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「で、どうする?」
「一応、作ったし…」
作ったのはほとんどケンですが…
「ちゃんとさ…吊るそうよ!!てるてる坊主が可哀想だろ!!」
「………そうだな」
「だね」
「じゃあ、糸つけるか」
そして、てるてる坊主の頭に糸をつけました。
「ダイ−、つけてくれ−」
「ハイハイ」
「…ケン、小さすぎて届かねぇもんな」
「ダメだよユ-スケ。ホントのこと言っちゃあ」
ちなみにケンの身長は153センチです。
「ウルセー!!」
ケンなりの反抗です。
「アハハ……あ」
てるてる坊主をつけようとしていたダイがなにかに気付きました。
「ケン、ちょっと来て。ユースケとテルも」
ダイが3人を呼びました。
「どしたの、ダイ?」
「もう、てるてる坊主はいいみたいだよ」
ダイが空を指しました。
「あ!!」
「……へぇ」
「…確かに要らないね」
ケン、ユースケ、テルはそれぞれ声をあげました。
「コレ、屋上に行ったらよく見えるよな?」
「きっとね」
「よし!行くぞー!」
ケンが駆け出しました。
「オイ、ケン!!」
「待ってよ」
「慌てんなって」
バタバタと騒がしい足音が被服室から消えました。
窓の近くに置かれたままのてるてる坊主が見た空には、雨上がりの大きな虹がありました。
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