すろぅらぃふ

□その1 雨の日てるてる坊主
6ページ/6ページ




「で、どうする?」

「一応、作ったし…」



作ったのはほとんどケンですが…



「ちゃんとさ…吊るそうよ!!てるてる坊主が可哀想だろ!!」


「………そうだな」
「だね」

「じゃあ、糸つけるか」



そして、てるてる坊主の頭に糸をつけました。




「ダイ−、つけてくれ−」

「ハイハイ」

「…ケン、小さすぎて届かねぇもんな」

「ダメだよユ-スケ。ホントのこと言っちゃあ」



ちなみにケンの身長は153センチです。



「ウルセー!!」



ケンなりの反抗です。



「アハハ……あ」




てるてる坊主をつけようとしていたダイがなにかに気付きました。




「ケン、ちょっと来て。ユースケとテルも」




ダイが3人を呼びました。





「どしたの、ダイ?」

「もう、てるてる坊主はいいみたいだよ」



ダイが空を指しました。


「あ!!」

「……へぇ」

「…確かに要らないね」




ケン、ユースケ、テルはそれぞれ声をあげました。




「コレ、屋上に行ったらよく見えるよな?」

「きっとね」

「よし!行くぞー!」



ケンが駆け出しました。


「オイ、ケン!!」

「待ってよ」

「慌てんなって」





バタバタと騒がしい足音が被服室から消えました。







窓の近くに置かれたままのてるてる坊主が見た空には、雨上がりの大きな虹がありました。




.
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ