すろぅらぃふ
□その1 雨の日てるてる坊主
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「だからー、アレだよ。てるてる坊主」
「…それがどうかした?」
ユースケとダイは少し嫌な予感がしました。
「テルだよ!!『テル』てる坊主」
「「……」」
ユースケとダイは一瞬にして黙りました。
「ユースケ?ダイ?」
「ふ-ん…」
ケンの後ろから声がしました。今まで、笑顔で話を聞いていたテルです。
「…テ、テル?」
何だか怖くなってケンは恐る恐る話しかけてみました。
「つまりケンは、僕がてるてる坊主だと言いたいの?」
テルは笑顔でしたが、背筋が凍えました。
「いや…その…」
「じゃあどういう意味?」
笑顔の後ろで黒いオーラが見えました。
「…ッ…!!」
ケンは堪えられなくて逃げ出しました。
「ユースケ、ダイ。追って」
「「ラジャ」」
「えっ!?なんで!?」
ケンは走りながら叫びました。
「自然の成り行き。しょうがないこと」
「ケン、ゴメン。俺、まだ死にたくない」
ユースケとダイは言いました。
「俺死ぬ決定−!?しょうがないってなんで−!?」
そして…―
「スミマセンデシタ」
「うん、次から気をつけてね」
あっさり捕まったケンは土下座に近い感じで謝り、テルから許しを得ました。
「(小声で)…力関係一目瞭然だな」
「(小声で)ケンが弱いだけじゃない?」
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