短編小説

□映像屋
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ちょっと、そこのあなた。

私の店に寄っていきません?






…え?なんの店かって?


あ、確かによく分からないですよね。





…貴方は大切な想い出を持っていますか?


私の店はその想い出を映すんです。


頭の中では覚えていない心の片隅にひっそりといる想い出さえも。





…よく分からない?





アハハ、確かにそうかもしれませんね。

理解しにくいことだと思います。

一度来ていただければいいかもしれませんよ?






開いてるのかって?






開いてますよっ。

ちょーっと、中が黒い布で外から見えなくなってますから入りづらいかもしれませんけど…

こちらとしてはいつでも大歓迎です。

どうぞ気軽に入って来てください。





映像屋、今日も開店です。






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