短編小説

□玩具屋
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貴方は一年に一度、しかも…たった一人のお客様のためにしか開店しない玩具屋を知っていますか?





…そんな玩具屋があるのかって?





ええ、実はあるんです。



それが私が営む『玩具屋』





何を売っているのかって?





どこにでもある玩具屋と一緒ですよ。

いろいろな玩具を売っています。

まぁ、ぬいぐるみとか積み木とか…手作りの玩具ばかりですけどね。





何故たった一人のためなのかって?





それはですね、そのお客様は店にある玩具を全て買われてしまうからなんですよ。





どんな人なのかって?





きっと皆さんもご存じですよ、そのお客様のことは。
とても優しく、店に来てくださった時はいつもニコニコしておられます。

でも…会ったことはないかと思います。


すごく恥ずかしがりやな方ですから、皆さんに顔を見られたくないんだそうです。




これで私の玩具屋については分かっていただけましたか?





玩具屋、のんびりと営業させて頂いてます。




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