小説

□クリスマスだけでも
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外を見ると真っ白。
雪が降っていることに気付いた。


「おっ、雪か!さっきより降ってんじゃね?」

「…ホントだ。どうりで寒いわけだ……」

「オレが添い寝してやろうか?」

「………風邪がうつるよ」


遠慮するとか、嫌だと言うと思ってたが、逆に風邪がうつる心配をしてくれていた。
こう言われるとなんというか…、オレが悪い奴みたいだ。
オレはココに布団をもう一枚かけた。


「トリコの分が…」

「いーよ、オレバカだから風邪ひかねぇしな」

「自分で言うか、普通…」


呆れながら笑うココを見て少しほっとした。
風邪はまだ軽いみたいだし、つらそうな表情でもない。


「ちょっと寝てもいいかな」

「そうしてろって。ん、お休みのちゅーだ!」


にやけそうな自分を抑え、ココの額にキスをしてやった。
熱のせいか、それともトリコのせいか、ココは耳まで真っ赤になった。


「ッ……!トリコ……………右と左、どっちがいい?」


にっこりとボキボキと手を鳴らすココ。
ゆっくりと体を起こした。


「………み、右」


いや何で答えた自分。
絶対右にココの鉄拳が飛んでくるだろうに。
軽く身を引いたが、ココに両肩をひっぱられ…


「っ!!……………?」


痛くはなかったが、何かが右の頬に触れている。
それもすぐ離れてしまったが、これは…


「クリスマスプレゼント…だから…なっ」


再び背を向け布団に頭まで潜り込むココと、茫然としているトリコ。
さっきのって、やっぱキスだよな。
いつもココからはしてくれなかったのに、風邪のせいか?いやでもココは…


「…ぉぉぉッ…!?」


自分からはいつもやるけどよ、されたらめっちゃ照れる!!
何っだこれ、やばい、可愛すぎる!




こうしてトリコは一晩中はしゃぎ、翌日トリコが風邪をひいたという。


(ココぉ、左はー?)

(…………グーとパーなら、どっちがいい?)

(やっぱいいです)



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