小説
□三時のおやつ
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オレの目の前に出されたアップルパイ(仮)。
それはとても神々しく、悪い意味で輝いていた。
大好きなココが作ったアップルパイ(謎)だ。だから食わないわけにはいかない。
オレは柄にもなく、ナイフでアップルパイ(不思議)を半分に切り分け、さらに半分。もうさらに半分にした。
ココがあきらかにつまらなさそうにしている事は、見なくたって分かる。
ってか見てはいけない。
眼力で殺されるなんてゴメンだ!
「早く食べないと冷めちゃうよ?」
ずい、と皿をオレに寄せた。
恐る恐るココの方をちらっと見る。
「(とっとと食え)」
語尾に星とかハートとか、(笑)とかがオプションとしてついてきた。いらねぇ!
「ちなみにココ、味見とか…」
「うん、してない」
肯定と否定を混ぜるな。
タダでさえこのアップルパイ(危険)に困惑しているのに。
オレはフォークを握り締めたまま、たった数時間前の事を思い返した。