小説

□三時のおやつ
2ページ/5ページ


オレの目の前に出されたアップルパイ(仮)。
それはとても神々しく、悪い意味で輝いていた。
大好きなココが作ったアップルパイ(謎)だ。だから食わないわけにはいかない。

オレは柄にもなく、ナイフでアップルパイ(不思議)を半分に切り分け、さらに半分。もうさらに半分にした。

ココがあきらかにつまらなさそうにしている事は、見なくたって分かる。
ってか見てはいけない。
眼力で殺されるなんてゴメンだ!


「早く食べないと冷めちゃうよ?」


ずい、と皿をオレに寄せた。
恐る恐るココの方をちらっと見る。

「(とっとと食え)」

語尾に星とかハートとか、(笑)とかがオプションとしてついてきた。いらねぇ!


「ちなみにココ、味見とか…」

「うん、してない」


肯定と否定を混ぜるな。
タダでさえこのアップルパイ(危険)に困惑しているのに。


オレはフォークを握り締めたまま、たった数時間前の事を思い返した。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ