小説

□ボクと約束を
2ページ/6ページ


「とりこおにーちゃん!もっと、もっとー」

「(な、何でこんなに元気なんだ!?)」


子供の体力を侮っていた。
さすがのオレでも息が切れてきた。


そもそもどうしてココが子供になったのかが分からない。
朝起きると、こうなっていた。理解不能。
でも可愛いから許すことにした。
服はココの家にはサイズが合うものがなかった。
だからオレの着替えのタンクトップを丁度いいサイズに切って被せといた。

「なぁココ、そろそろ休憩しねーか?」

「えー…」

「おやつの時間にしようぜ?」

「たべるー!」


ワンピース姿のココ。
なんて可愛いんだ!
そんなことを言えばココの毒砲が飛んできそうだが、今は言いたい放題だな。
オレはココの家の棚を漁り、お菓子をいくつか取り出した。
どうせ自分が食うんだし、別にいいよな?





「おいしいね、とりこおにーちゃん」

「あぁ。……ココ、どうして子供になったんだ?」

「?」


記憶のないココに聞いたって分かるはずない、とは思っていたがやはり聞かずにはいられなかった。
もしずっとこのままだったら?
ココはオレのこと、忘れたままなのだろうか。


「とりこおにーちゃん?」

「ん、何でもねぇ」

「ほんとうに?」

「大丈夫だって。ホラ、口汚れてんぞ?」

「んー」


ココは元オレの服で口元を拭う。
まったく、人に品がないとか言いやがって。
お前だって十分品がねぇじゃねーか。


…今のココに言ったって意味ないか。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ