小説
□ハッピーギフト
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「よぉトム、今ヒマか?」
「トリコか。どうした?獲物も持ってこずに…」
オレはトムだったらいいプレゼントを教えてくれる気がしていた。
奥さんもいるし、プレゼントくらいしたことがあるはずだ。
「ちょっと聞きたい事があるんだけどよ…誕生日って何をプレゼントしたらいいんだ?」
「た、誕生日プレゼント?」
「そうそう。内緒でプレゼントしようと思ってな」
あ、ココにとは言わなかったが…まぁいいか。
「(トリコにも彼女が出来たのか?)プレゼントか…花とかは?」
「花なんてそこら中に生えてるぜ(崖の下に)」
「(ガーデニングもしてるのか…)そうか、なら服はどうだ?」
「あー、アイツお気に入りの服しか着ないからな…」
いいように勘違いしているトムと、それに気付かないトリコ。
噛み合っていない会話は誰にも止められなかった。
そしてとうとう二人とも気付かずに話がついた。
「ほぉー…ピアスか!たしかにアイツ結構オシャレだしな!(ターバンの飾りとか何気に)」
「ピアスなら俺の知り合いの店に頼んどいてやるよ。夜までに送っておくさ」
「助かるぜ、トム」
ココ、ピアスとか付けるかな?
喜んでくれなかったらどうしようか…
「それで、どんな子なんだ?」
「子って年じゃねーけど、結構ツンツンしてるな。たまに急に甘えてくるけどよ」
あぁ、ツンデレか。
「へぇ…ま、頑張れよ。応援してるからな!」
「ん?ああ」
何を頑張るんだ?
あと何で応援されるんだ?
…まぁいいか。
オレは高鳴る胸を抑えながら家へと帰った。