小説

□究極の選択
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「…ココ〜」


「……何だよ」


「なんか、今日冷たくね?オレ何かしたか?」


「何も。あとボクはいつも通りだよ」


「いつもうっすら毒なんか出してたか!?」



おっと、ついうっかり毒が出ていたようだ。



「そんなココも好きだけどな!」



何でだよ!?
あきらかにおかしいだろ。
ついに脳まで胃袋になったのか?



トリコには、何をしても通じない。

それだけは理解できた。


「ココはオレのこと嫌いか?」

「何でそんなこと聞くんだよ…」


反論も面倒になってきた。
いっそ毒でも盛って眠らせて、黙らせようか。
一週間くらい。


「気になるじゃねーか」


お前は思春期真っ只中の女子高生か。


どちらかと言うと、「好き」の分類には入る。昔からの付き合いもあることだし…
そういった点では好きだと思う。

あと…


「トリコはボクのことが好きなのかい?」


「ほらみろ、ココも気になるだろ?」



なんてバカなことを聞いたんだろう。
もう口にしてからでは遅い。取り消せない。
聞くんじゃなかった!


「好きに決まってるだろ!メシも美味いしな!」


食べること以外何もないのか!?

「そうか…ちょっと待っててくれるか?」

「お?何だ?」

「すぐだから」


トリコの「好き」は、きっとボクの「好き」とは種類が違うのだろう。

だから…


「はい、ケーキ。食べるだろ?」


「食う!!って、全部同じやつか?」

全てイチゴショート。
テーブルには5個のケーキ。
なぜ5個もあるのか。


トリコは不思議に思った。
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