小説

□痘痕もえくぼ
1ページ/5ページ


夜更かしは肌によくない。
ストレスもよくない。

夜更かしは肌によくないけど、珍しく起きてみた。
アイツがいるとストレスが溜まるけど、珍しくアイツに自分から会いに行ってみた。

理由?特にない。
ただの気紛れだし、オレが決めた事だし。
まぁ…強いて言うなら、好きになったから。










コンコン、とドアをノックする音が聞こえた。
こんな時間に来るのは…トリコだろうか?
また勝手に酒でも持ってきたのだろうか?
それにしてはノックの音が小さかった。


「誰だ?」

「ゼブラ、オレだし。開けてくんない?」


聞き慣れた声が聞こえ、少し驚いた。
たしかサニーはオレ達四人の中で一番寝るのが早い。
いつもコラーゲンがどうとかで、こんな時間に起きているのは珍しい。
ただ、少しその声は眠たそうだが。
鍵を外し、中に入れてやるとサニーはすぐに鍵を掛け直した。
不思議に思っているとサニーが口を開いた。


「ゼブラ…オレとヤらね?」

「………………は?」


何を言いだすかと思いきや、まさかの爆弾発言。
オレは男だし、もちろんサニーも男…いや、女みてぇな顔はしているが生憎オレはそんな趣味はない。


「おいサニー、何寝呆けてんだ?部屋まで送ってやろうか?」


サニーを連れていこうとドアに手をかけるとその手を触覚で捕まれた。
本気をだせば触覚なんてワケもないが、オレを苦手としているサニーがまさか自らあの触覚で触れてくるとは。


「寝呆けてなんかねーし…」


ふあ、と大きな欠伸をするサニー。
これのどこが寝呆けてなんかねーしだよ。
欠伸のせいか、薄らと目に涙を溜めている。
その涙を手で拭い、何をするのかと思えばオレのベッドにダイブした。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ