小説
□foolish!
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「おいサニー」
「何?トリコ」
「なんでお前がココん家にいんの?」
「悪い?てかなんでトリコいるのか意味不明だし」
今日は珍しくトリコとサニーがボクの家に遊びに来てくれている。
キッスもなしにあの崖を登ってきたのかと思うとなんだか罪悪感を感じる。
「二人とも来てくれるんならキッスを呼んだのに…」
「あん時は小松もいたからな。あれくらいなら普通に登れるさ」
「オレは触覚あるしー」
なんとも自由な奴らだ。
せっかく遊びに来てくれたんだ。
飲み物とお菓子くらい出してゆっくりしていってもらおう。
この二人が一緒にいてゆっくりできたことはないけれど…。
「あーもーココの入れるコーヒーはマジうめぇな!飯もうまいし、なぁココ、オレの嫁にこないか?」
「フフ、丁重にお断わりするよ」
「なんて―つくしいんだ…これぞまさに究極の調和!スバラシ!つーわけでオレと一緒に暮らさね?」
「うーん…遠慮しとくよ」
修行してた頃からこの調子だったな…さすがに慣れたものだ。
あんまり慣れても嬉しくないが、いちいち相手にしていては疲れる。
はたから見れば二人仲良くしているように見えるが、実際はそうではない。
トリコは密かに威嚇をし、サニーは触覚でトリコを押し退けようとしている。
電磁波を見ると余計にだ。
電磁波同士が喧嘩しているなんてボクにしか分からないんだろうけど。