小説
□弱肉強食
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「………」
だるい。やる気がない。
そして腰が痛い。
目を開けると彼がいた。
「よぉココ。お目覚めかい?」
「トリコ、やりすぎだ…死にそう」
「ほぉー、死にそうなくらい気持ち良かったって?」
「ち、違っ……」
久しぶりに会ったと思ったらいきなりコレだ。
今日が休みの日で本当によかった。
…トリコとした後は必ず腰を痛める。
ひどい時は全身筋肉痛。
ボクはベッドでぐったりしながら横目でトリコを軽く睨む。
「ん?どうした?」
「〜〜〜〜何でもないッ!!」
あの笑顔は卑怯だと何度思わせられたことか。
トリコが男前なのが悪いんだ。ボクは枕に顔を埋めたが、すぐにトリコに引き剥がされた。
何か言い返してやろうと思い、口を開くとキスをされた。
それも、勢いよく互いの歯をぶつけて。
「痛っ!」
「わ、悪ぃココ…つい…」
なにがつい、だ。
二人とも口を押さえて悶えた。
「(それにしても…)」
「今日はゆっくり休んでな。朝食くらいオレが「ボクがする!!」…」
彼に食事を作らせてはいけない。
理由は簡単だ、トリコが作ればボクん家の食料が朝だけで無くなるからだ。
ボクはよろよろとよろめきながら台所へと向かった。