小説

□おもいちがい
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それはある日のことだった。

たまたま町に出掛けた時のことだ。

そうしたら、トリコと小松くんを見つけた。


「とりあえず中入ろうぜ」

「は、はい!」


…仲いいな、あの二人。
…………なんか、むかつく。

ああ、ボクらしくないと思った。
でも、これは浮気ではないだろうか?
このボクを差し置いてデートなんて!
…違う違う。


二人は喫茶店に入って行った。
悪いとは思うけど、ボクは後をつけることにした。






「な、なんか寒気がするんですけど…」

「そうか?空調ききすぎてんのかな」


トリコは鼻が効くから、ボクは二人から一番遠い席に着いた。
ここからでは会話は聞き取りづらい…でも見つかってしまうのはゴメンだ。

ボクは二人の会話を集中して聞いた。



「トリコさんは(どの犬が)好きですか?」

!?

「…(この犬が)好きだ。(この犬の)目とかキラキラしてるトコとか」


なっ…トリコ、本当に小松くんのことが?
いや、聞き取れてないところもあるし…
ボクの勘違いかもしれない。いや、そうであってほしい。

「ボクも(この犬)大好きですよ」

「やっぱりそうだよな?小松、(この種類の犬)が欲しいな」


聞いてられない!!
ボクは勢い良く立ち上がり、ズカズカと二人の所に向かった。


「あ、ココさんお久しぶりです!」

「おー、やっぱココか!ちょっとだけお前の匂いがして…ってココ?」


「トリコは、小松くんが好きかい…?」

「「ちょ、ココ(さん)真っ黒だぞ(ですよ)!?」」

あ、うっかり。
でもボクより小松くんを選ぶなんて…
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