小説
□あいむはんぐりー
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「なあココぉ〜…腹減った。メシー」
「うるさいな、今作ってるだろ?」
もうこれで20回目だ。
どうやったらこいつの食欲を止められるだろうか。
…そんな無謀な事は考えないほうがよさそうだ。
「めーしー」
「しつこいぞ、トリコ…」
外から小鳥の鳴き声が聞こえてくる。ツバメ、だろうか。
「(ツバメのほうがトリコより賢そうだな)」
親鳥がくるまではじっとしていて。親鳥がエサを運んでくると口を開けて食べる。
「まだか?」
「まだだよ」
………ボクは親鳥か?
料理はもうすぐ出来上がる。
「まだなのか?」
「もう少しだからおとなしくしてろ」
「えー…」
ボクが親鳥、トリコはヒナ。こんなでかいヒナなんていないだろうけど。
「いいな、ツバメはすぐ食わせてくれて」
トリコはツバメを見る。
あの目は嫉妬の目だ。
トリコはツバメなんかにも嫉妬するのか…。