Zill O'll Infinite

□IF宿屋イベント
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IF 宿屋イベント


「ベルゼーヴァさん?どうしたんです、こんな所で」
「君か。いや、特に何もないが」
「そうですか?」



問うと、彼は少し笑う。


「……いや、この戦いが終わった後の事を考えていた」
「ベルゼーヴァさんはエンシャントを復興させて、革新を目指すんですよね」
「もちろん、それもあるが」
「え……?」



見上げると、彼の顔には不適な笑み。



「君をどうするか、だ」
「私……?」
「ああ。君には利用価値がある。この戦いが終われば救世の英雄なのだから」
「ベルゼーヴァさん……勝った場合だけですか?」



当たり前だろう、と彼は頷いた。



「そ、そうですか」
「まず、君の身柄はディンガルが預かる」
「………」
「その後は私付きの士官として働いてもらい、後々には重要な任にも就いてもらう」
「もう、そこまで決まっているんですか……」



彼は"無限のソウルを持つ英雄"を必要としている。

そう、"私"ではなく。


彼の傍には居られるのだけど。


それでも、少しだけ悲しい。




けれど、



「……それ位ではないと、帝国宰相とは釣り合わんだろう」
「………っ!」


彼の小さな呟き。


「さて、もう夜も遅い。部屋に戻るとしようか」
「べ、ベルゼーヴァさん、今何て……!?」
「………さあ、な」



意地悪な笑みを一つ残して、彼は部屋へと向かっていった。


私は、それを赤い顔で見送るしかなかったのだった……。



FIN.
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