Zill O'll Infinite
□再会
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ある朝。
昨日は野宿だった一行は朝日の下で、出発の準備をしていた。
今日中にはアキュリースに着く予定であった。
ティナが荷物の整頓をしていると、鞄の中にあった暦を見ていたレルラ=ロントンが大きな声を上げた。
「あれーっ、ティナ、今日誕生日じゃない?」
「……あ、忘れてました…」
言われて、初めて気がついた。
「あら、そうなの?」
「ザキヴ。ええ、そうみたいです」
「みたいですって、貴方………」
ザキヴは苦笑する。
まったく、この子は…。
「おめでとう、ティナ。これは、アキュリースに着いたらお祝いせんとなぁ」
「デルガドさん、…ありがとうございます」
「………」
ティナがデルガドに向ける笑顔を、ザキヴが複雑そうな顔で見ていた。
「じゃあ、さっさと依頼を済ませちゃおう!」
「はい!」
「おう!」
「………ええ」
ザキヴは気付いていた。
"お祝い"と聞いて、彼女の顔に浮かんだ笑み混じる違和感に。
そして、その理由も。