Summon Night

□祭りの夜
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「夕食の時にも言ったが、すまなかったな、ずっと黙っていて」
「いいんですよ。その方がレイドさんらしいですし」


アヤがそう言うと、レイドは苦笑した。

今日は屋根の上ではなく、レイドの部屋での会話である。


「これ位の事、黙っているのも馬鹿らしいとは思ったんだが、驚かせようと思ってね」
「ええ、驚きましたよ…。こちらに来てから、お祭りなんて久しぶりに聞きましたし」
「そうだな。それだけ、皆に余裕ができた証拠だろう」



嬉しげな彼の顔。

彼の夢見ていた事が、少しずつ現実になっていく。

それを純粋に嬉しいと思える。



…――けれど、


「…お祭り、一緒に行きたかったです……」


それが、正直な気持ち。

やはり、ガゼルが言った事は当たっていた。



彼は悲しそうな顔で、


「ああ…、私も君と行きたかった」
「はい…」


その言葉だけでも嬉しい。


「我が儘言って、ごめんなさい」


そう言うと、彼は少し驚いた顔をして、


…――何も言わずに抱き締められる。



「レイドさん……?」
「……すまない。上手く言葉が出なくてな……」


優しい声が降ってくる。


「アヤ、私は君が好きだよ…」
「……はい。私もです…。レイドさんが好きです…」




だから、大丈夫です。


ありがとう……
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