Summon Night
□毎日
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「はぁ〜疲れましたねぇ」
「うん、今日はありがとね。シンゲン」
最後の客を送り出し、片付けを終えた二人は一息ついていた。
緑茶を飲みながら、フェアは横に居るシンゲンを見た。
「ねぇ、シンゲン…」
「何です?」
「ありがと」
一瞬驚いた顔をしたシンゲンが口を開く前に、
「手伝ってくれたことじゃ、ないわよ」
その言葉を聞いたシンゲンは苦笑した。
「まったく……、ご主人は鋭いですね…」
「うーん、何となく、だけどね」
フェアは笑う。
「心配してくれてありがとう。でも、ちょっと疲れてただけだから」
「いやいや、ご無理はいけませんよ。ご主人」
「うん。……でも、鋭いのはシンゲンじゃない?私、普通だったと思うけど?」
それは、とシンゲンは笑う。
その笑顔にフェアはなんとなく嫌な予感がした。
「毎日一緒に居れば解りますよ。それに……」
「そ、それに?」
「妻の細かな変化に気付くのも、夫の務めですから」
「―――っ!バカ!いつ結婚したのよ!」
「あ、すみません。"未来の"を付け忘れました」
「〜〜、もう、知らない!!」
面白そうな顔をして笑っている彼の顔に、ふきんを叩きつけ、フェアは足取り荒く部屋へ引き上げたのだった。
END.