いただきもの
□この恋が叶いますように
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白い紙をハート型に切り抜き、
ピンク色のペンで
好きな人の名前を書く。
それを持って告白をすると、
その恋は叶う。
───…三月。出逢いと別れの季節。
「てゆーかさ、卒業式の予行練習っていらなくない？」
友人があくびをしながらこちらを見る。
私達は今、三月なのにまだ寒い体育館で、明日の卒業式の予行練習を行っている。
「…私は嬉しいかな。こういう時じゃないと逢えないし」
私はちらりと右側を見てそう答えた。
「あぁ…。ナミは恋する乙女だからねぇ」
友人はニヤリと笑って私をからかった。
私には好きな人がいる。中学生の時からずーっと、片想いをしてる人。
────…サンジ先輩。
女の子たちの憧れの的で、彼の周りには必ず女の子がいた。
きっかけは、ほんとに小さなことだった。