MUSOU

□お前なんか
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「兼続…要は、貴様は儂に何をしろと言うのだ?」

「政宗の大事な物を貰いたい」

「?……汗血馬か?あれはヤらん!それともまさか……この奥州を寄越せと?」

「いや違う」

「??!伊達三傑か?あれは居らぬと駄目だ!!」

「政宗、わざとらしくはぐらかすな。貴様を貰い受けたい」


兼続は目の前の政宗を腕に包むと、右目に唇をあてる

髪を撫でながら、愛している政宗。と繰り返し呟き、愛しそうに抱いていると、政宗が小刻みに震えだす


「ん?どうした」

「……酔狂な奴よ…儂などに言うて何が良いのやら。儂は誰にも必要とされておらぬのに。家族にも疎まれる儂は、性格も何もかも、悪いのだ…戦場でも、利益や強者に下る義も誇りもない犬よ。とな」


兼続は、謙信が呟いていた言葉を思い出す




主とは、己のみの信念に生きられるものではないと…




「もう言うな。私は政宗の事を何一つ知らない。だが、知りたいのだ。政宗を愛しく思う心は嘘偽りない真の心だ。
直ぐに信じなくても良い。
だが、必ず信じさせて見せる
それが私の義だからだ。」


政宗は、兼続の肩に額を宛てて小さく笑う


「貴様の愚かさには負けたわ…儂をやるわ!」

「政宗…」


兼続は政宗の頬に手を添えて、唇を軽く啄む
乾き、ささくれだっている政宗の唇を舌で潤すようになぞると、政宗が隻眼を閉じる

兼続が舌を差し入れると、驚く程素直に舌を絡めてくる
唾液を交換するように口付けしていると、政宗の指が兼続の着物を強く握ってきた。


兼続は政宗を畳みに寝かせると、華奢な体を包むように上から抱き締める

あまり体重が掛からないように、自分も政宗の横に寝転び 向かい合わせるように政宗の頭を二の腕に乗せる。
額に何度も口付け、背中や髪を撫でていると、二の腕に重みを感じて政宗を見ると、すうすうと寝息が聞こえる


「政宗…愛しい奴だ…」


兼続が寝ている政宗に呟き、唇にそっと口付ける


「兼 続、
お前なんか…

         好いておるわ」


「政宗?」


政宗は目を閉じたまま消えそうな声で言った後、兼続の胸にグリグリと顔を押し付け、また寝息を立ててしまった


「龍とも在ろう男が狸寝入りとは…全く。」


聞いているであろう政宗は、安堵したように兼続の背中を握り締め、体の力を抜いて眠りに落ちた。



end






兼続は、結局政宗が起きるまで腕枕を外さず痺れまくりになった。










後書き
書いて見たかった割りには先に行けなかった…
無双やってると、政宗は義に反する輩とか言われてるのがちょっと…個人的見解で、政宗に一国の城主の言い訳?を言わせたかった。な感じでした
m(__)m
すみませんギャグからちょっとシリアスになるし…
ダメ文で申し訳なく…

ここまで読んで下さってありがとうございました
風近
20080826
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