MUSOU
□輪廻
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成実は家に戻り、簡単に夕食を済ませ、ソファー兼ベッドに横になるとタバコに火をつける
缶ビールを飲みながら煙を吐くと、より、酔いが回る気がする
タバコを吸い始めた理由は良く解らない
ただ最近思うのは、夢の男が朝昼晩と良く吸って居たように思う。
現代で言えば未成年ながら毎晩酒と煙草をたしなむ彼の少年を思い出す。
夢を思いだしにやけてしまう。
いい加減可笑しいとは重々感じている。
が
あまり強くもない酒を飲み、赤い目元が愛らしかった。
あぁ…
前世の俺は幸せだったんだろうな。
ゆるぎない信念のもとに、その主の為に武勇や智力を使い…
心のままに生きる
命をかけて
そんな純粋なまでの忠誠心。
今では考えられない位の信頼感。
「そういや…政宗は…俺に手紙をくれたな。雨が降って俺が暇だろうからって…」
成実はビールを飲み干すとタバコを胸いっぱい吸い込んで、白く燻らす煙を吐き出す。
大きく欠伸をすると、寝るための準備をして歯を磨き、ソファーに横になる
明日は兼続の家に行く
政宗を知っているって言う兼続
「まさかな…」
成実は目を閉じて、深い睡魔に導かれるまま眠りに落ちた