MUSOU

□輪廻
4ページ/8ページ

空が綺麗だな…
もうすっかり夏だ。
頬を撫でる風が心地よくて目を閉じる。

目を閉じると鮮やかに蘇る
拗ねたような唇
柔らかい茶色の髪
睫毛の多い大きな瞳
白い肌










『梵!明日はいよいよ元服だな、楽しみだけど、なんか遠くなる気分だな…』

『フン、元服したとて変わらぬわ、名が変わるだけの事よ』

『…俺、ホントにずっと梵を守るぜ?』

『どうした時宗丸。当たり前ではないか。梵の傍にいてくれるのであろう?』

『あぁ、未来永劫、俺は梵を守る。何があってもだ』

『…何度も言うでないわ。
恥ずかしいではないか。馬鹿め。
……時宗丸。明日、梵が政宗になっても変わらず傍に居てくれ。小十朗、綱元、そしてお前。』


『…梵……政宗様。俺の、大事な政宗。必ず守ってやる』








「成実ぇぇっ!!!」

「なっ、なんだっっ!!慶次。」
「なんだじゃねぇよッッ、タバコ吸いながら寝るんじゃねぇよッッ、それとも何か?その吸いかけが指について熱くて起きるってぇ言うタイマーか?」

「悪ィ悪ィ、ソレより夢の男の名前がわかったんだよ!」


慶次は眉をひそめ、腕組みをしてため息をつく。


「おぉ、話せよ」

「あっ、あぁ悪いな。
それがさ、マサムネって言うらしいわ。」


慶次はその名前を聞いて、益々眉の皺を深くする。


「マサムネ?…聞いた事があるな………!あっそうだ!こりゃ一石二鳥だ、俺は兼続に聞きたい事があんだよな。成実、明日 兼続のところ行くぞ」

「はぁ?兼続…だぁ?」

直江兼続は高校時代のクラスメイトで、神社の息子らしく御札を持っていて、何かにつけて御札を投げられ苦労をしていた。


「まぁ、夢の話もあるし、なんてってもマサムネの話、兼続に聞いた事があんだよな、だから明日10時に兼続ん家な。」


成実は首を竦めて笑うと、課題を片付けに慶次とともに戻り、何時間かかけて課題を終え、家に帰った。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ