MUSOU

□氷の唇
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こんな…


何故…!


奴の…

兼続の…





直江兼続という男の顔が頭から離れぬのだ




兼続…






「政宗様。出陣の支度、整いまして御座いまする!」

「あぁ。わかった。最上の叔父御を救わねば」

「御意」


政宗の思考は部下によって遮られる

政宗は、兜の紐を握り立ち上がると
馬に跨がり腹を蹴る

政宗は最上を救出し、直江兼続を倒すべく
走り出す


草活きれの匂い
馬の蹄の音
甲冑の摺れる音

戦の始まり



兼続…!


目を刹那
閉じれば浮かぶ男の顔


政宗は思いを立ちきるように
剱を抜き、長谷堂に向かった
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